夢の永久機関を目指して、 不可能に挑む誇り高き勇者たちに栄光あれ!! 勇ましい口調と派手な宣伝画面に釣られて、物事を余り深く考えようとしない者たちが大量に集められた。 研究の目的は皆知っている。 永久機関。 地球上で生きていくにはもう後が無い人類に残された最後の救済システム。 仮に研究に失敗したとしても、研究に関わらなかった人々よりは長く生きられる。 自分で判断することを止め、ただ伝えられるがままの救済を信じて、研究は開始された……。
永久機関の完成は夢と終わったが、研究の成果は非常に満足いくものとなった。 実験体になった者たちは、まだ地上で生きることに不安を持たなかった時代の人間と同じくらいの寿命を保てるだろう。 それだけの長い時間を未完成な永久機関の一部として生き続けることになろうとも……。
ご感想・ご意見などのメールは【nozarasi_s@mail.goo.ne.jp 】に!