ボクはよく「男の子みたい」と言われる。
その度にボクは感情を表に出さないために「にっこり」と笑う。
ボクの肉体はいかにも「女の子」というところまでまだ成長しきっていない。
でも、ボクの心は「女の子」として生きていきたいと思っている。
何時の頃からか、ボクは学校生活が大嫌いになっていた。
周囲は一人の「女の子」として扱ってくれないのに、形式上は「女の子」として分類されている。
ボク自身の心と肉体の不釣合いよりも、周囲の建前と本音の露骨な乖離さ加減が悲しかった。
だから、ボクは貴方の元へと訪れる。
貴方だけは本能のままにボクを「女の子」として扱ってくれるから。
肉体と心、本音と建前が合致する世界が幸福だなんて、どうして信じられるんだろう……。
でも、ボクがもし今、幸福を感じているのなら、それも信じられるのかもしれない。
だけど、すでにボクは何も考えることができなくなっているから、答えはきっと見つからないのだろうな。